2017年3月3日金曜日

整体実技|操体法の基礎

第1節 操体法とは…

操体法の考案者

橋本敬三先生(1897~1993) 新潟医専卒 東北帝大生理学教室から何カ所もの勤務医、 開業医を経て、昭和16年、仙台市に温古堂診療所開業

操体法は、 日本人医者の橋本敬三先生が体系づけたものですが、 アメリカの整形外科医であるオステオパシーの技法に、 マッスルエナジーテクニック というものがあり、同系統の療法です。

患者さんの「動作」に抵抗を加えるテクニックで 抵抗療法と呼ばれています。
カイロプラクティックにおいても、積極的に取り入れており、 急性期、慢性期に関わらず施療でき、 リハビリテーションにも大いに役に立ちます。

「安全」かつ「即効効果」のある手技療法です。 JKF 整体法と合わせることによって、より施療効果が高まります。

単一技法としてはこの特殊性の右に出るものはないと言われています。 敢えて、短所を探せば、即効性はあるが長い持続性がないと言うことです。
従って、 継続的に操体することが大切で、 患者さんに自己操体法を教えてあげると良いでしょう。

身体の求める正しい動きをいかに誘導できるかで、その効果を左右します。 自分に対して行うならまだしも、患者さんに施療するには、熟練が必要です。
簡単そうに見えますので、誰でも入り易い療法ですが、奥が深く至り難い手技療法です。


第2節 身体の求める動きとは…

身体にとって「気持ち良いことをすればいい」というのが自然の法則です。

あくびも寝相が悪いのも身体の要求です。 長い間、身体を縮めていた後は、思いっきり伸びをしたくなります。
これらは身体のバランスを取るための無意識の動きなのです。 無意識の行動は全て気持ち良いのです。

野生の動物はみんな知っています。 嫌なことや気持ちの良くないことはしません。 例えば、身体を曲げて痛ければ伸ばします。

しかし、人間は気持ちの良いことばかりやっていては、生活ができません。 従って、意識的に、定期的に元に戻す動きをしなければなりません。

「痛みから逃げて、気持ち良い動きをしたい」という、身体が指図するままに動くことが、 そのまま苦痛や身体不調からの逃げ道に通じているのです。


第3節 操体法の基本

身体の動きは精緻に出来ています。 身体の一部を動かすと、遠いところにも連動し、他の療法では及ばない、予想もしないと ころに効果が現れます。

操体法は、同時相関連動性(一つの筋肉を動かせばそれにつれて他の筋肉も動く)という人間の身体の原理を応用して、歪みを正常にする操法です。

例えば、仰臥位で、足の親指を背屈すると、親指 だけしか動くのが分かりませんが、親指の動きに 強く抵抗をかけると、親指を動かすためには、大 腿部、腰、背部、首、顔の筋肉まで動いてしまい ます。(注意:操体法では強い力で抵抗は加えませ ん)

この連動の原理を応用して、足の指の操体法により、腰痛、肩こり、頭痛のような遠隔部 の異常を治すことも可能なのです。

但し、正しい相関連動をさせられるかどうかで効果は違います。

身体を右に側屈する時は、 左足に重心を移して側屈します。 左に側屈する時は、 右足に重心を移して側屈します。
身体を右回旋する時は、 右足に重心を移して回旋します。 左回旋する時は、 左足に重心を移して回旋します。
前屈する時は、 体重を踵のほうにかけ、 お尻を後ろに引き気味にします。
後屈する時には、 体重をつま先の方にかけ、 腰を前方に押し出します。

人間の身体の構造は、健康で快適に一生を送れるように設計されています。 しかし、何らかの理由で、身体の構造に歪みが出来ると、病気が発生します。 操体法とは、身体を自然の摂理に従って動かして、この歪みを元通りに戻す手技です。

例を挙げると、 草むしりのように長時間の前傾姿勢は腰背部が痛くなり、 背中を反らそうとすると非常な痛みを伴い、時にはぎっくり腰になります。 このような時は、2回か3回ほど、更に深く前屈すると、背中を反らすことができます。 五十肩で腕が上がらない時は、我慢できる所まで腕を上げて、そこから元の位置に戻す動 きに抵抗をかけます。 これを繰り返すと、腕がだんだんと上がるようになります。

このように、操体法では、 後ろに反らせない時は、動きやすい前に曲げさせるように動かせて、 上がらない時は、下げさせて、 それに抵抗をかける療法です。

橋本敬三先生によれば、健康体であるためには、 自分でしなければならない4つの責任生活があります。

動(どう : 正しい身体の動かし方) 例えば、手で物を持つ時は、手の小指側に力点 を置きます。足は親指側に力点 を置きます。 立って体をねじる時は、ねじる側の足に体重をかけ、横に倒すときは倒す反対の 足に体重をかけます。 前屈の時は尻を後ろに引き、後屈の時は腰を前に出します。

食(しょく: 正しい食生活) 歯の種類と数に合わせたバランスで、穀類4、野菜2、肉類1,の割合で、旬の ものを良く噛んで食べます。 腹八分目を心がけます。

息(そく : 正しい呼吸の仕方) 身体の隅々まで酸素を行き渡らせるために、深い呼吸を心がけます。 腹式呼吸を取り入れると良いでしょう。

想(そう : 正しい心の持ち方) 天地自然の恵、両親や友人など多くの人達の支えがあるおかげで生かされている ことに気づき、それを口に出して感謝します。 運命は口から出す言葉の方向に進むと言われます。


第4節 操体法の手順

運動系の生理として、 骨格にズレが起きると、連結する筋肉に異常緊張が起こります。 逆に、筋肉の過緊張から骨格にズレが起こります。

歪みの分析(関節の動きのチェック)を動診と言います。
操体法では、歪みを的確に知るためには、動診を行います。
治療の始めは、痛みの発生した部分を的確に知ることです。

動診の方向 ① 伸展、屈曲 ②側屈 ③回旋 ④牽引、圧迫 ⑤外転、内転 などの動きをチェックして、痛くない、異常感覚の消える、動きやすい方向を 見つけます。

② 動きやすい方向へ、伸展・屈曲・側屈・回旋などの動きをさせてそれに抵抗を加 えて調整します。

操体法では、歪みは下方から上方へ向かうと考えます。 仮に、肩が痛いという場合でも、足関節・膝関節・股関節・仙腸関節…・肩関節・頚椎と いうように、歪みが上方に移ってくると考えます。
動診を行った結果、 動かしにくいところ 異常感覚のあるところ 痛みのあるところ などがあったら、そこを治療点と定めて調整します。

調整の仕方 不快感 ⇒ 快の方向へ動かします 動かしにくいところ ⇒ 動かしやす方向へ動かします 異常感覚 ⇒ 異常感覚が消える方向へ動かします 痛み ⇒ 痛みの消える方向へ動かします

(例)肩が痛くて上がらない場合 前述しましたが、 痛みを感じる高さまで腕を上げ、そこから痛くない下方へと抵抗を与えながら動かしても らいます。 最後に約3秒くらい、力を拮抗させてタメを作りストンと脱力させます。 きっこう これを3回から5回繰り返しますと、今までの位置よりも腕が上がるようになります。

次の手順を3回から5回行います。

① 動きやすい方向に動かし、抵抗を加えます (狙っている治療箇所に連動する程度の軽い抵抗です)
② 息を吐かせながら、ゆっくりと動かします (脱力する前にもう一度息を吸わせ、脱力時に吐かせます)
③ 気持ちの良いところで3秒ほどタメを作って、一気に脱力させます

人間の骨格の中心は脊柱で、直立歩行するため、脊柱を支える骨盤が一番重要な土台にな ります。 肩こりや頭痛など足腰と関係ないように思える症状でも、必ず土台を治してから始めるこ とが重要です。
土台の歪みを取る操体法で、うまく相関連動が働くと、肩こりや頭痛が治ります。


第5節 基本的操体法

操法を骨盤の位置で見た場合に、 つま先上げは骨盤の前後の動き 踵伸ばしは骨盤の左右の動き 膝倒しは骨盤のねじりの動きという 3つのパターンに分かれており、特に重要です。

① つま先上げ

操体法の最も基本となる操法で、下腿三頭筋など足の疲れをとり、連動で股関節の歪みな どを修復します。 人間の最も基本的な動作は歩くことであり、股関節に歪みがでると腰痛を始め身体の不具合が起きます。
患者仰臥位で、操者は患者の両膝を持ち片方ずつ胸に近づけます。(トーマステストに似 ていますね…) 近づけにくい方の股関節は不具合があります。

踵は床につけたまま足の指を反らすように持ち上げていくと、足の裏が「のび」はじめま す。更にそのまま反らせていくと、ふくらはぎが伸びはじめます。 これが難しいのですが、「のび」の感じがお尻や背中の方まで伝わるようにやることが大 切です。 息を吐きながらゆっくりと動かしてゆくと、股関節、骨盤、腰の周辺の筋肉まで連動する のが分かります。
気持ち良い所まで上げたら、抵抗をかけてタメを作ります。 息を吸い込み、吐きながら脱力させます。

② 膝倒し

腰部の捻れの歪みを修復します。  倒す膝と対側の上肢は斜め下に伸ばし外旋すると、 連動性が高まります。
両膝を立てた仰臥位。 両膝を揃えて、ゆっくりと左右に倒していきます。 大腿部の外側、臀部、腰、背中などが「のびる感じ」に します。
右と左のどちらの方へ倒した方が気持ちが良かったか? 気持ちの良い方向へゆっくりと、両膝を倒していきます。
最も気持ちの良いところで抵抗をかけて動きを止め、気持ちの良さを味わわせます。 約3秒の間、タメを作って、脱力させます。
どちらも、イイ感じがなくなったら、膝倒しは終わりです。普通は3回から5回です。

③ 踵のばし

踵から動かして、腸骨稜の上縁後側部を緩める操体法です。
患者仰臥位。脚の全体が 胴体から離れていくように ゆっくりと踵を押し出します。 押し出す側の腰は「のびる」感じになり、反対の腰は「ちぢむ」感じになります。 気持ちの良い「のび」につながりそうな側の脚を操体します。 同時に、腕を上に伸ばす操作を加えると効果が高まります。 上に伸ばす腕は左右どちらか気持ちの良い方です。

④ うつぶせ足のばし

梨状筋や大殿筋を緩め、 仙腸関節部の歪みを修復します。
患者伏臥位で、踵が臀部につきやすいかどうか 動診します。(ナクラステストに似ていますね…) 臀部の内外で、最も不快な場所を見つけ、 足をゆっくり伸ばさせ、適度な所で抵抗をかけ、 脱力させます。 膝は、ベッドから浮く感じになれば成功です。

⑤ うつぶせ膝引きつけ

骨盤の捻れと傾きを修復します。
患者は伏臥位。手は楽なように置き、顔は楽な方に向 けます。 ゆっくりと膝を脇の下の方に引き上げさせます。 引き上げる時に感じる「イイ感じ」「イヤな感じ」を そんな感覚をゆっくりと感じさせます。 気持ちの良い側の脚を引きつけさせ、気持ちの良い位 置で抵抗をかけ、脱力させます。

⑥ 足首ひねり

患者伏臥位。 骨盤の捻れや傾きの修復します。
両膝を直角に曲げ床に垂直にします。 操者は両足首を揃えたまま左右に捻ります。 不快を感じる方から快を感じる方向に、 または、廻りの悪い方から良い方に廻させて、 適度な所で抵抗をかけ、脱力させます。

⑦ 上体捻り

座位。 操者は後方に立ち、左右に上体を 捻ります。 患者には、頭の後ろで手を組み、 胸が気持ちよく広がるように、両 肘を開く体勢を取らせます。
捻る時の基本は、患者は、捻る側に重心を乗せることです。
身体を左右にねじって(まわして)、 不快の方向から快の方向へ、ゆっくりと身体を回旋させて、抵抗脱力させます。

⑧ 上体水平移動

座位。 頭の後ろで手を組み、胸が気持ちよく広がるように、両 肘を開かせます。
左右に上体を移動させます。 移動する側に重心移動することが大切です。
身体を左右に移動させ、 不快の方向から快の方向へ、ゆっくりと身体を移動させて、抵抗脱力させます。
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⑨ 首の操作(回旋、側屈、伸展、屈曲)

回旋・側屈の場合は、患者仰臥位または座位。
操者は受者の頭部を左右に回旋させ、不快方向から快の方 向へ動かせ、抵抗脱力させます。 同様に、左右側屈させ、不快方向から快の方向へ動かせ、 抵抗脱力させます。
伸展・屈曲の場合は、患者座位で動診し、仰臥位および座位で操体。
伸展が気持ち良い場合は、斜角筋など前頸 部に異常がある場合です。 仰臥位で、あごを突き上げさせ、胸をブリ ッジのように思いきり反らさせ、圧痛が軽 減される方へ顔を回旋をさせ、タメを作り 脱力させます。 頭痛、耳鳴り、めまい、目鼻などの疾患に も効果があります。 屈曲が気持ち良い場合は、後頸部に異常がある場合です。 座位で、左右どちらか楽な方に屈曲して、額に抵抗をかけ、タメを作り脱力させます。

⑩ 肩の操作

操者は受者の両肩を押し下げ、 不快感のある側の肩を持ち上げさせます。 この動きに抵抗をかけ、タメを作り脱力さ せます。
手首をつかんで外旋すると痛む場合は、内 旋させながら抵抗をかけ、タメを作り脱力 させます。
腕を挙上して痛む場合は、挙上状態から下 へ引き下ろさせながら抵抗をかけ、タメを 作り脱力させます。

⑪ 足指の操作(ゆらし指もみとも言われます)

この操法に似た整体法はもうご存じですよね。 基本的に小指から始めます。 軽く引きながら4、5回ゆすり、気持ちの良い指を受者に教えてもらいます。
気持ち良い感じの指が見つかったら、それをゆらし、ゆれる心地よさを充分に味わっても らいます。
気持ちよさがなくなったらストップします。 ストップする時は、 もむ速さを少しずつ落としてゆき、足指を包んだ状態でピタッと止め、 ジワーッとくる心地よさを充分に味わってもらいます。
最初は、もむことは考えずに「リズミカルにゆらす」つもりで行ってみましょう。 相手の指の付け根付近を持ち、前後にゆらします。
その後、他の指でイイ感じがする指を同じようにゆらします。
足指に偏った力が入ると、足底、ふくらはぎ、腰、背、肩、首へと連動します。
足腰がだるい、首肩が凝る、血圧が高い、頭痛持ち、耳鼻咽喉の疾患などの人は、 じびいんこう 足指が硬くなっていることが多い臨床結果があります。 足の冷え性の人にも効果が高いので試してみて下さい。


第6節 皮膚の操体法

(1)快の感覚を知る

操体と他の様々な手技療法との決定的な違いは、一人でやるにせよ、施術者がいるにせよ、 患者本人が、「快」なのか「不快」なのか、自分の感覚を身体に聞きわけなければならな いことにあります。
その気持ち良さをを味わい、身体の要求を満たすことができれば、非常な効果があります。 つまり、施術者がいても、患者さん本人が診断者であり、治療者であるわけです。
このことが、 操体法を始めるのは簡単ですが、極めるのには熟練が必要と言われる所以です。 患者さん自身が、痛みのある患部の動きは別として、他の場所では、歪みがあっても、ど ちら側に動けば気持ち良いのか分からないことが多いからです。

「気持ち良い」感覚を磨くために、皮膚の操体法から始めると良いかもしれません。
「気持ち良い」「気持ち良くない」という「感じ」は心身のバランスにかかわる身体から のサインです。 何かを「感じる」という時、最大の感覚器官である皮膚を忘れるわけにはいきません。
手の平や指の腹で、皮膚を動かして感覚を生み出すことが出来ます。 そして、皮膚の動きから生まれてくる感覚にも「気持ち良い」「気持ち良くない」があり ます。 皮膚を、本人が気持ちいいと感じる方向に 気持ち良いと感じるだけ動かせば、操体になります。

自分の身体を感じとるのに慣れてないような人や、 身体が固くて動きの範囲の狭い人、 神経過敏で軽く触れても痛がったりくすぐったがったりする人、 あるいは、麻痺性の疾患で自分の力で身体を動かすことの困難な人、 このような身体に向き合ったとき、どこから手をつけていいのかわからないことがありま す。

そういう身体に触れる時でも、皮膚に働きかけて生まれてくる感覚を味わってもらうと、 「気持ち良い」「気持ち良くない」という感覚が生まれてきます。
また、どの方向に刺激を与えれば気持ちがよいのかは、「癒し」のためにも重要です。

(2)皮膚の操体法

自分の手の「皮膚」と、相手の「皮膚」とが、ぴったりと貼りついた状態で患者さんの皮 膚を動かします。 両母指、両手の四指、三指など場所によって適宜使い分けます。 受者が「気持ち良い」「気持ち良くない」を感じわけやすい触れ方です。

素肌に触れなければならないわけではありません。服の上からでも大丈夫です。
【どちらに動かすか】 気持ち良い方向が見つかったら、その方向にそっと皮膚をずらして下さい。 上下方向がどちらも気持ちよくない時は 左右斜め方向を確かめます。 手で触れている部分だけでなく、広く長く遠くまで、相手の皮膚を感じ取るようにします。

【どのくらい動かすか】 気持ち良さを感じられる範囲を超えないようにします。 人によっては1ミリ動いたかな?・・という範囲の場合もあります。 非常に大きな範囲をまで引き伸ばすようにズラした方が気持ち良い場合もあります。 動かさずに触れているだけが「いちばんいい」という場合がありますが、そういう時は、 「動かさない」でただじっと触れていて下さい。

【どのくらいの間止める】 「イイ感じ」のする方向に皮膚をずらせたら、そのまま手を止めて、患者さんにに「イイ 感じ」を、味わってもらいます。 気持ち良いと感じていられるだけの間とどめます。 「気持ち良さがなくなったら教えてください」と言って、合図をしてもらうと終わりのタ イミングがわかります。

【カワを戻す】 元の位置に戻しても、いきなり手を離さないで、しばらくの間、手をそのままにして、余 韻(血流が通っていくようなジンジンした感じなど)の感覚を味わってもらいます。
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① 頭の皮膚操体

頭を手のひらで包むように触ってみると、こぶの様に膨らんでいたり、逆に凹んだり、で こぼこした感じになっている事があります。
そういうところは、筋肉が凝っていて頭痛が起きやすいところだったり、いつも痒いとこ かゆ ろだったり、癖毛や白髪がまとまって生えてくるところだったり、皮膚が固く貼りついて ズラそうとしても動きにくくなっていたりします。 反対に、皮膚があまって、ユルユルしているような状態の所もあります。
このような部分は、特に丁寧に操体してください。
おもしろい映画を見て大笑いした後、頭のでこぼこが消えてしまったという例を聞いたこ とがありますが、頭の皮膚と感情は関連しています。
指の腹の柔らかいところを張り付けて動かします。 基本的には複数の指を同時に使います。
次の自療操体を自分で試してみてください。 整体の先生は、感覚の鋭さを養わなければなりません。 この感覚が分かれば大丈夫です。
額 の毛の生え際、両目の上部を、両手の人さし指・中指・薬指を揃えて押さえて下さい。 ひたい 次に、額の皮膚をゆっくりと上に、下に、左に、右に動かしてみて下さい。 どちらが気持ち良いでしょう? 上方に動かすのが気持ち良いならば、あなたの顔はむくみやすく垂れ気味です。 下方に動かすのが気持ち良いならば、あなたの頭の筋肉はストレスで硬くなっています。

② 顔の皮膚操体

額 、眉、目の周り、頬、顎、口の周り、耳の周り、鼻の周辺など、 ひたい まゆ ほお あご 両母指や他の指をそろえて行います。
頭と同様、貼りついて鈍くなっている場合も多く、 歯、顎、目、鼻、耳、のどなど顔の近辺に出てくる症状だけではなく、 精神的な辛さを抱えている患者さんにも助けになります。

③ 耳の操体

仰臥位。 操者は受者の頭の上に位置します。
耳を頭の皮膚が飛び出してきた一部と考えて 全体を指で柔かくつかみ、いろいろな方向 に引っ張ってみます。 親指と人差し指で持ちやすいように耳たぶを持ち、 上の方・真中あたり・下の方と分けて、各々の部分を摘んで引っ張ります。 引っ張る方向は上下と前後と外方です。

なんとなく耳から頭の中までがイイ感じになる引っ張り方が見つかります。 イヤな感じがする方向にはやりません。 イイ感じの方向が見つかったらそのまま引っ張って、それをしっかりと味わわせます。

気持ち良いと感じる方向が見つけにくければ、つまんで痛いところを見つけて その部分 をつまんだまま引っぱってみます。つままれた痛みが減る方向を探してください。
操体法と類似のマッスルエナジーテクニックも、欧米では整形外科医の手技療法です。 操体法も西洋医学のお医者さんが考案しただけあって、すばらしい効果があります。

この操体法だけで独立開業している整体師も大勢おります。 多くの接骨医や指圧師の先生も習っています。
是非、皆様も習得して下さい。 ある程度まで簡単に上達するのですが、本当に奥の深い手技療法です。
まず、この教材を理解し、自分で快の感覚を味わって下さい。 抵抗をかけなくても効果はありますので、上手くタメを作れるか、上手く脱力できるように練習してください。

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