2017年3月20日月曜日

整体実技|マタニティ整体2



マタニティ整体2

第3節 産後の整体施療の基礎

基本的な施療法 = 骨盤に近い部位は、左右の刺激量を同じにするため、受者の両側を同量の刺激を与えるように施療することが望ましいといえます。

(1)伏臥位の手技

① 肩上部母指圧

② 後頭骨下縁・頚部四指揉捏

③ 肩甲骨操作

受者の肩首のこりの施療としても有効ですが、肩甲骨の操作は、褐色脂肪細胞の働きを活性化し、基礎代謝をアップします。即ち、痩せやすくなります。

脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があります。白色脂肪細胞は体内に入った栄養を脂肪として細胞に取り込みます。褐色脂肪細胞は脂肪細胞なのに、体内で脂肪が増えすぎると余分な脂肪を燃焼して熱に変えてくれる細胞ですが、年齢と共に減少します。
褐色脂肪細胞を活性化するには唐辛子などカプサイシンを多く含む食物を取ったり、この細胞が多い部分(肩甲骨の廻り・脇の下・首廻り・心臓と腎臓の廻りの5カ所)を、特に肩甲骨廻りを刺激します。

特に、肩甲骨の内転操作・内旋操作・外旋操作が有効です。

内転操作は、受者の両手を頭の後ろで組ませ、両肘を持ち上げて行います。
また、両脇の下から肩甲骨を内側に圧迫して行います。

内旋操作は、同様な体勢で肘を上方に牽引して行います。

外旋操作は、受者の両肘を曲げて両手を背中に廻して、両上腕の間隔を狭めるようにして行います。


④ 両手交差手掌揉捏
 
脊柱起立筋を上背部から腰下部まで行います。


⑤ 臀部・下肢手掌揉捏(むくみ解消での施療は下腿部⇒大腿部⇒臀部の順番で行います)

臀部・下肢の後部筋肉群を手掌圧迫します。臀部は中臀筋・小臀筋・梨状筋・大腿方形筋など、下肢は大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋・下腿三頭筋などを緩解します。


⑥ 胸椎・腰椎の交差母指滑り法

R-T1に左母指、L-T2に右母指圧を当てて胸椎椎間関節を滑らせるように押圧します。

次に、R-T2に左母指、L-T3に右母指を当てて椎間関節を滑らせるように押圧します。
胸椎は同様にして、R-T11とR-T12まで行います。

R-L1に左母指、L-L1に右母指圧を当てて腰椎椎間関節を滑らせるように押圧します。
腰椎は同様にして、R-L5とL-L5まで行います。


⑦ 一側線・二側線・三側線の両手母指圧

両側を同時に、一側線・二側線・三側線を母指圧します。(桃色)
 

⑧ 骨盤の両手母指圧


A. 骨盤上部母指圧(赤色)
B. 仙骨上母指揉捏(黄色)
C. 臀部母指圧(橙色)
D.尾骨両側母指圧(青色)
E.大転子周囲母指圧(竹色)






⑨ 仙骨の滑り法


仙腸関節の弾力性を回復させ、仙骨を本来の位置に戻す手技です。

伏臥位で、腰部にクッションを敷いて、腰臀部が少し前屈した体勢(仙腸関節の最密位といいます=仙腸関節の障害を施療するときに治りやすい体位です)で施療できると良いでしょう。

先ず、仙骨に手掌を当て、3呼吸ほど時間をかけて仙骨を前屈させます。
そのまま圧迫しながら前方に滑らせます。
そして、後方に滑らせます。

動くのは1mm程度です。
無理なくソフトに行います。

次に、3呼吸ほど時間をかけて後屈させます。
そのまま圧迫しながら前方に滑らせます。
そして、後方に滑らせます。







(2)仰臥位の手技

① 両手挙上牽引・肩関節および鎖骨下の母指圧・上背部四指揉捏および肩上部母指圧

② 頚部操作(四指揉捏・ブリッジ・前屈ストレッチなど)

③ 大腿前部手掌圧(胃経・脾経) 

大腿四頭筋上の胃経・脾経を刺激して内臓機能を促進すると共に、股関節・骨盤に関する筋肉の緊張を取ります。


④ 大腿外側手掌圧(胆経)
 
大腿筋膜張筋から腸脛靱帯を施療します。


⑤ 大腿内側手掌圧(肝経)

肝経だけは、骨盤の歪みや子宮など骨盤内臓の血流に関連する内転筋群がありますが、両側同時の施療は困難です。両側の刺激量が同じになるよう注意して片側ずつ施療します。


⑥ 下腿部内側母指圧 ⇒ 足裏母指圧
(むくみ解消での施療は⑥⇒③の順番で行います)

⑦ 腹部調律

内臓の鬱血を取り去り、調子を整え、基礎代謝をアップします。
標準編で研修済みです。



第4節 産後の骨盤調整

① 立位で骨盤周囲を計測して見ましょう!
 
立った姿勢で右図の位置を計測して下さい。





② 骨盤の拡大法

受者は座位。両足裏を合わせた胡座の体勢で、呼気に合わせてゆっくりと限度まで前屈する動作を数回行います。

その後、受者に両手で足を抱えてその体制を維持させます。数呼吸の後に、操者は受者の腰椎・仙椎の両側を軽く叩打します。

骨盤を縮小するには、縮小する筋肉群をストレッチして弾力性を取り戻すことです。それには、はじめに骨盤を拡大することです。
この手技は、短時間的には骨盤が拡大され、股関節の可動域を拡げますが、内転筋群が鍛えられ、直結した膀胱括約筋・骨盤底筋などの血行を促進し、子宮をはじめとした骨盤内臓を調整します。


③ 骨盤縮小法(その1)

受者は両膝を曲げて立てた仰臥位。
両膝を合わせて、両踵は臀部の両外側まで引き寄せます。
操者は受者の呼気に合わせて、両膝を手前下に引き下げていきます。ベッドに受者の膝を押しつけるようにして、受者の臀部を持ち上げさせます。数呼吸の後に戻します。
この操作を数回行います。
ここで数cmの縮小ができない場合は、受者の骨盤が元々締まっているか、施療法が熟達していません。

この手技は骨盤ダイエットに使われる手技です。骨盤廻りは数cmの縮小が期待できます。


⑤ 骨盤縮小法(その2)

骨盤の下に枕を挿入して、骨盤高位の体勢を取ります。
両手は頭の下で組むか万歳させます。
 枕の高さは高いほど効果はありますが、慣れるまでは腰痛を引き起こしますので、気持ちの良い、無理のない高さから始めて下さい。
つま先は「ハの字」にして、背伸びします。
背伸びの時間は10秒を数回行います。


⑥ 仙腸関節矯正(軽く軽く施療します)
 
受者の骨盤が揃っていない場合の手技です。
腸骨稜・PSISなどで調べます。

● 前方回転変位の場合は、受者は仰臥位。
股関節を出来るだけ屈曲して、対側に伸ばした体勢で、仙腸関節をしばらく整圧します。

● 後方回転変位の場合は、受者は横臥位。
股関節を出来るだけ伸展して、後方に伸ばした体勢で、仙腸関節をしばらく整圧します。


● 骨盤が捻れている時の検査と実技。

臀部を左に落とした座位と右に落とした座位で比較検査します。
右図は骨盤を左に捻るのが辛い場合の検査と施療法です。
受者に右図の伏臥位を取らせて、左上半身を揉捏します。横を向いた首が痛いようでしたら真っ直ぐ下向きで結構です。











第5節 自宅で行う骨盤療法

① 骨盤開きスクワット

 
足先を外旋し、骨盤を開く方向に圧力をかけてスクワットします。
ゆっくりと1回に約10秒かけて10回行います。
骨盤を開くと、骨盤を締めるための筋肉がストレッチされ、弾力性を回復します。


② 骨盤締めスクワット
 
足先を内旋し、骨盤を締める方向に圧力をかけてスクワットします。
ゆっくりと1回に約10秒かけて10回行います。
次に、足先を内旋したまま身体を前傾します。
1回10秒で10回行います。


③ 減肥導引法

呼吸法を使って、緩んだ腹横筋・骨盤底筋・肩甲帯を引き締める健康法です。

腹横筋・骨盤底筋などは、内臓を本来の位置に留める働きを持ちます。
腹横筋は補整下着の役目をします。鍛えればやせて見えます。
肩甲帯は、褐色脂肪細胞が多く、これを刺激することで褐色脂肪細胞を活性化して、脂肪を燃焼させる身体にします。


1.腹横筋の働きを確かめる

リラックスした状態で、臍の位置で腹周囲のサイズを測ります。
次に、腹を思い切り凹まして、腹周囲のサイズを測ります。
腹周囲のサイズの差が5cm以上でない人は、
腹横筋の働きが弱く、内臓が下垂してお腹ポッコリの体型になりやすい身体です。

2.腹を凹ます

思い切り凹ませば凹ますほど効果的です。

3.肛門を締める

肛門を思い切り締めます。
骨盤底筋が働き骨盤内の内臓を正常な位置に維持します。尿漏れも防止します。

4.肩甲骨を内転

左右の肩甲骨を背中の中央に寄せたままにします。

5.腹を凹ます + 肛門を締める + 肩甲骨内転

2.3.4.を同時に30秒維持します。


日常生活では次の動作を行うよう指導しましょう!

骨盤高位は自宅でできます。

1日に起床時に1回
骨盤スクワットを1日に思い立ったら数回
減肥導引を1日に思い立ったら数回、


やればやるほど、贅肉がとれ、骨盤は縮小して、美しい健康な痩身体となります。

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